時代の流れが速く変化が激しい中、親が自信を持ってアドバイスすることが難しいと感じる場面が増えています。不安を感じるのは、大人も子どもも同じです。「なるようになるさ」と思いつつも、できればより良い方向に進みたいと思ってしまうのも事実。どんなに先が見えなくても…。だから、深い洞察を持ち、先を見据えた方々からヒントをいただく機会が欲しい、そして大切な人たちとその時間を共有したいという思いで突っ走ってきました。もしかしたら今すぐには理解できなかったとしても、未来に「あの100周年の時、こんなことを話していたよね」と同じ思い出を共有できるのは、とても素敵なことだと思うからです。
葉山の町政が100年間守られてきたのは、未来の葉山を想像し、考え、行動してくださった方々のおかげだと思います。これからの100年も、どんな時代の変化があろうとも、太古から受け継いできた大切な思いを、次の世代にもしっかりと伝えていきたいのです。子どもたちが大人を見て、「自分たちの未来を真剣に考えてくれている」と感じてくれることは子どもたちの大きな力になるにちがいありません。
本当は、生きていてくれるだけで十分なのですが…。
私は葉山で夫と二人の息子を育てながら、KUMONの教室を15年間運営してきました。町の子どもたちが知の底力をつけ、地域や国を発展させていく姿を夢見て、背中を押されるように続けてきました。また、PTAや町内会役員、民生委員などを通じて町内活動にも関わる中で、葉山が人にも環境にも恵まれた素晴らしい町であることを実感してきました。
しかし、コロナ禍によって幼い子どもたちは、コミュニケーションを学ぶ時間や世代を超えた交流の貴重な機会を失いました。また、少子化やリスク回避の傾向により、子どもたちが失敗や困難から学ぶ場が減少している現状にも直面しています。その上、質の高い情報に触れる機会が少なくなり、フェイクと事実を見極める力を養うのも困難です。これからの時代を生き抜くためには、自分自身の直感力を信じ、しっかりと調べる力を身につける必要があります。そして、信頼できる仲間を築くことも大切だと感じます。
私自身、「何か違う」と思いながら行動できず、結果的に我が子を傷つけてしまったという苦い経験があります。その経験から、子どもたちには力になってくれる大人がそばにいてほしいと強く願うようになりました。親が無理なら、近くにいる大人がおせっかいをしてでも子どもを支ええてもらいたい、そして、私自身もそんな大人になりたいと思っています。その時の気持ちは今も原動力となり続けています。
山口さんや下間さんをはじめ、素晴らしい方々のご助言とご協力のおかげで、この夢のような講演会が実現しようとしています。心より感謝申し上げます。
葉山の未来を担う子どもたちが、自分の可能性に気づき、自らの未来を選び取りたいと胸を躍らせることを願っています。そして、この思いに共感し、皆さまにもワクワクしていただけたら、これ以上うれしいことはありません。

葉山未来共創プロジェクト代表　井上香織
幼小中教員免許取得後、SEとして浜松町・大阪梅田スカイビルで勤務。愛媛生まれで自然が大好き。兵庫、東京、大阪、愛知、鎌倉を経て現在葉山在住。葉山と横須賀で塾経営15年。